インドの西端にホワイトデザート(英語名称はGreat Rann of Kutch)という塩湖がある。塩湖と言えばイスラエルの死海、あるいは、アメリカのソルトレークが思い浮かぶが、この湖ではそれらでは見られない景色を楽しめる。ここは雨季と乾季があり、乾季には湖水が蒸発して干上がり塩で真っ白になるのだ。乾季は11月くらいから2月くらいまで続く。筆者が訪れた2月は人も疎らだったが、年末・年始には多くの観光客が訪れるそうだ。展望台に上ってみると、見渡す限り一面白色でまるで雪原だ。青空とのコントラストがよく映える。 湖の対岸はパキスタンとの国境だそうだが、パキスタンはおろか、沖の方の干上がってない部分も見ることが出来ない。その面積は7500km2と、東京都と千葉県を合わせたよりも広いというのだから無理もない。。
岸から沖に向かって歩いてみた。塩が空気中の水分を吸収するので湿っていて雪原に少し雨が降った後のような感触だ。しかし、足を取られることはない。2月と言っても暖かく、ワイシャツ1枚で十分だ。
雄大な景色を肴にビールでも飲みたいところだが、湖のあるここの州、グジラャートでは飲酒は禁じられている。でも、インドも外人観光客誘致を盛んに行う方針だそうなので、やがて、ビールも飲めるようになるかもしれない。コロナの終息後、インドに行く機会には一見をお薦めする。
植民地時代には、塩はイギリスの所有物でインド人が無断で塩を持ち去ると罰されたらしい。しかし、今は採掘して製塩し盛んに輸出しているそうで、日本でも化学薬品などの原料としてここの塩を利用しているとの事である。この奇勝も日本と繋がりがあるのだ。