チャンドラボーズ

インドの独立は非暴力主義を貫いたガンジーの力によるところが大きいということが定説になっている。しかし、「独立は武力でのみ勝ち取れる」という不屈の信念で独立運動を指導した男がいた。その名はチャンドラボーズ。彼は日本ともゆかりが深い。第二次世界大戦時、イギリスと戦っていたドイツに入った。しかし、ヒットラーはアジア人を蔑視しており、ヨーロッパ人に頼ることは出来ないと判断した。

太平洋戦争が始まってすぐの頃、日本はシンガポールなどでイギリスを打ち負かし破竹の勢いだった。そこで日本を頼りにしてイギリスからの独立を勝ち取ろうと考えて東京に行き、東条首相などとも会談し、日本のビルマ方面での作戦などに少なからぬ影響を与えた。だが、日本の敗戦でイギリスから糾弾される身の危険を感じて日本からの脱出を試みようとした。だが飛行機事故のため、日本統治下にあった台湾で亡くなり、葬儀は東京・高円寺にある蓮光寺で行われた。ネールやインデラ・ガンジーなどのインドの歴代首脳が来日したときにはこの寺を訪れている。閑静な住宅街にある寺には彼の石碑がある。

児玉 博嗣

インドをはじめ、世界各地の火力発電所の発電設備の保守管理を技術面から サポートする仕事を30年以上、発電所の人たちと一緒に手がけてきた。 趣味は歴史書の読書、エッセイーや掌編小説の執筆、町の散策と多岐にわたる。 幅広い国際経験を生かし、インド・日本の双方のウィン・ウィンの関係の構築 に貢献したい。

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