日本の皆さま、こんにちは。
今回は、インドに興味をもってくださっている日本のみなさまに向けて、2020年6月17日現在の数値を用いながらインドにおける感染拡大状況の現場と今後の見通しについてレポートしたいと思います。
レポートの内容に関しては、インドはデリーにいますインドリクルーター(https://www.india-recruiter.com/)のインド人スタッフ監修のもと記載しています。
感染者数
現在、全世界において各国が感染爆発を抑え込もうと国をあげての取り組みをしていますが、もちろんここインドにおいても爆発を阻止するためにたいへん厳しい戦いをしています。
インドは、モディ首相がかかげる「感染予防は治療よりも優れている」という宣言のもと、世界がこの未確認のウイルスについての認知をしはじめたばかりの直後に行動を起こし、国連からの賞賛を受けています。しかしながら、3月末より全土封鎖(ロックダウン)に踏み切ったにもかかわらず感染の拡大に歯止めがかかっていないのが現状です。
コロナ感染症例のインドにおける現状(2020年6月17日現在):
感染者 | 発症者 | 治癒者 | 死者 |
354,064例 | 155,227例 | 186,934例 | 11,903例 |
感染者の推移に関しては、インド政府のホームページ(https://www.mygov.in/corona-data/covid19-statewise-status/)を見ていただくと最新の情報がわかります。残念ながら英語版でしか提供がありませんが。
また、全世界の感染状況、推移についてはWHOの特設ページ(https://covid19.who.int/)をご覧いただくとよくわかります。こちらも英語版でしか提供がありませんが。
インド政府いわく、(あくまでもいわくですよ!)コロナウイル拡大のパンデミックによってもたらされる課題と脅威に直面する準備を整え、必要なすべての措置を講じていると国民にアナウンスしています。 13億を超える人口を抱えるインド政府は、インド国民の積極的な支援を受けて、国内でのウイルスの蔓延を大幅に抑えることができましたとも公言しています。 数字だけを見るとWHO集計の世界の感染者数でインドは、米国、ブラジル、ロシア連邦について第4位に入っています。(2020年6月18日数値)
インド政府の対策
コロナ禍に対する対策としてインド政府が取ったステップはこうです:
- 全土に渡り3月末よりロックダウン開始。
- ウイルス、その広がり、防止策、ガイドライン、ヘルプライン番号、登録された症例、死亡ツールなどに関する情報を保健省の公式Webサイトで提供。
- 政府はAarogya Setuというコロナ感染者を追跡するモバイルアプリを導入し、アプリへの登録を奨励しています。これに登録することで、自分のまわり半径何キロ以内にどれくらいの感染者がでているかの把握が可能になり、自分がどれほどのコロナ感染リスクのある地域にいるのかがわかります。
- 夜間外出禁止令を発令し、午後9時から午前5時の間の個人的な外出を制限。
- 高齢者、妊娠中の女性、10歳未満の子供向けに安全を確保するためのさらに厳格な制限を設けている。
- 国際便の封鎖
- コロナ診断と治療のための専門病院の設置。また、ワクチン開発の促進、強化。
ロックダウンと経済活動の再開
そのような状況下で、経済で死ぬかコロナで死ぬかという他国も経験している厳しい判
断に迫られ、安全策を講じながらも経済活動を再開する苦渋の決断をしています。
この記事を書いている6月18日時点ではロックダウン第5期の状況下にあり、経済活動を再開するさまざまな緩和措置が取られています。
全体方針としてはコロナ封じ込めゾーンというのを感染者数に基づいて設け、その地域以外のエリアの店舗や移動を段階的に再開しています。
また、国際貨物に関しても筆者が把握している限り、インドから海外への流通は徐々に再開されています。
インドの人材について少し触れると
コロナ禍は、インド経済にたいへん大きなダメージを与えました。これにより、多くの若者が失業しています。まぁ、そもそも平均年齢27歳!!若者だらけの国です。この失業率の上昇に伴い、海外への渡航が許可されるようになると、ますます多くのインド人が海外に仕事を求めて流出することが考えられます。
これまで、インド国内の仕事についていた優秀なインドのIT人材、エンジニア、技能実習生などを日本国内で獲得するチャンスが到来すると予測します。
次回はインド在住の日本人のコロナ禍における状況変化について書きたいと思います。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
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